民間銀行はなぜ国債を買うのか
3月2日に、衆議院で2021年度予算案が可決された。
予算は衆議院の優越事項なので、参議院で否決されようが結果的に、この予算案が2021年度の予算ということになる。
予算規模は約107兆円
相変わらず社会保障費が多くを占め、1/3の37兆円は社会保障費である。
参考:2021年度予算案 一般会計の総額が過去最大に おさえておきたい数字をチェック|NHK
さて、今回私が気になるのは、歳出ではなく歳入。
「新規の国債の発行額は、歳入不足を補うための赤字国債が37兆2560億円、建設国債が6兆3410億円の合わせて43兆5970億円」
とのことだ。
国の債務(借金)が44兆円発生しているということになる。
よく、この国債の累積を日本の人口で割り、一人当たり1,000万の借金だの言われていることが語弊があるのではないかとやり玉に挙がっている。
ともかく、国民のことは置いておいて、国がどこかから44兆円を新規で借りてきたということには変わりはない。
さて、借りてきたというからには貸し手がいないとおかしい(誰かが買ってくれていないとおかしい)ということなのだが、国債の保有者の内訳はこういうことらしい↓
出典:日本の国債の保有者内訳をグラフ化してみる(最新) - ガベージニュース
なるほど、是非は置いておいて、日銀が国債や株式を買い支えているという話はよく聞くので中央銀行が多くを担っていることは納得がいく。
気になるのは民間銀行などの項目で約4割。
利回りもとても低い状態でなぜ民間銀行が大量に国債を購入するのか?どうも解せないのはここだ。
試しに調べてみると、
1.自己資本比率を高めるためいう説
出典:銀行は日本の国債をなぜ買うの? - 教えて! 住まいの先生 - Yahoo!不動産
2.購入時よりもさらに金利が下がると高く売れる可能性があるからという説
出典:日本の金融機関はなぜ日本国債を買う?【トウシルクイズ068・経済】 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
ほかにもあるが…
一方で、池上彰氏の説明によると「日銀は政府が発行した国債をすぐ引き受けるということはやっていません。政府が国債を発行すると、いったんは一般の銀行や私たち個人が買います。日銀は、一般の銀行が買った国債を買い上げて、同じだけのお金を発行する」
とのこと。
出典:【第4回】国債って何ですか?: 帰ってきた池上彰の「やさしい経済教室」: START! -基礎から学ぶ、マネー&ライフ- :朝日新聞デジタル
であれば、確かに、2.の説のように、デフレ下において一旦民間銀行で購入していてもそのうちさらにデフレ対策に金利が下がり、いずれは日本銀行が買い入れてくれるので、一旦国債を引き受けよう、となるのもわかるようにも思う。
ただ、銀行も資金運用をしていると思うので、国債に偏るのもどうかと思うので、そのうち国債は購入せず、株式などで運用する方を好む、というなこともありそうなものだがそのようなことにはならないのだろうか?
つまり、国債に買い手がつかない、ということにはならないのだろうか。
そのあたり、大変不思議に思っている。
では!